理事長ごあいさつ

日本小児耳鼻咽喉科学会理事長
伊藤 真人

日本小児耳鼻咽喉科学会のホームページへようこそ。

本学会は、小児の耳鼻咽喉科・頭頸部外科分野に特化した学会です。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会には関連15学会がありますが、他の多くが耳・鼻・のどなどの臓器別の学会なのに対して、本学会は臓器の別なく広く小児の耳鼻咽喉科疾患全般を対象としています。耳鼻咽喉科医ばかりではなく、小児科医、小児外科医、言語聴覚士などの小児の耳鼻咽喉科医療に携わる幅広い分野の職種に携わる医療者が集う学際的な学会です。そして、小児の耳鼻咽喉科疾患は患児のQOLに直結するため、適切な治療によって速やかに症状を改善させることは、子どもたちの成長・発達にとって大変重要です。本学会では、このような様々な分野の会員が持つ、それぞれの知見と問題意識を共有し、多方面から小児のQOLの改善に寄与することを目指しています。

耳鼻咽喉科のサブスペシャリティー領域としての「小児耳鼻咽喉科」の歴史は古く、「耳鼻咽喉科という診療科」そのものが発足した頃に遡ります。「耳鼻咽喉科学」が内科系の喉頭科学と外科系の耳科学が独立統合して、ひとつの診療科・学問分野となった1890年頃のことですが、この時すでにワルシャワ小児病院に小児耳鼻咽喉科があったことが知られています。わが国の「日本小児耳鼻咽喉科学会」の歴史も長く、欧米の小児耳鼻咽喉科学会が発足したと同じ頃、1979年に研究会として出発して以来40年以上の歴史があります。この間、国内外の小児耳鼻咽喉科の学術・臨床を牽引する存在として、多くの業績が積み重ねられてきました。現在多くの国と地域において、小児耳鼻咽喉学は耳鼻咽喉科学の中のひとつのサブスペシャリティー分野として確立しており、わが国においても徐々に発展しつつあることから、本学会の果たすべき役割は重要です。

日本小児耳鼻咽喉科学会では、子どもたちの健やかな成長を願って、小児科や小児外科の医師、言語聴覚士の皆さまとの連携を深め、学際的な学会運営を目指しています。様々な職種の垣根を越えて、「未来ある子どもたちにできること」を皆さまと力を合わせて実現していきましょう。

最後に、私たちの日本小児耳鼻咽喉科学会の3つの目標を記します。
1.多職種連携・多職種共同研究の推進:小児科や小児外科医の医師、言語聴覚士などとの連携を深め、垣根のない学際的な学会運営と共同研究を推進します。
2.次代の小児耳鼻咽喉科学を担う、若手医療者の支援・育成を行います。
3.学会のさらなる国際化を推進します。